でこぼこ・出っ歯
治療前
年齢:20歳
主訴:前歯がデコボコで咬み切れない
診断:叢生(歯が並ぶスペースが不足し、重なりや捻じれが生じている)
上顎前突(上あごの前歯が前方に突出している)
開咬(前歯が水平的に離れており、上下の前歯が咬合接触していない)
翼状捻転(上の前歯2本が左右に開くように捻れている)
鋏状咬合(ハサミの刃がすれ違うように右側の奥歯が噛み合っていない)
治療中
装置:唇側マルチブラケット(クリアタイプ)、アンカースクリュー
抜歯部位:上顎両側第一小臼歯、下顎両側第二小臼歯
治療期間:2年2か月
総額:約90万円(税込)
治療方針:上下顎の前歯の歯並びの乱れ(叢生)と、上顎前歯が前方に突出した状態(過大なオーバージェット)を改善するため、上顎左右の第一小臼歯と下顎左右の第二小臼歯を抜歯し、歯を並べるためのスペースを確保する方針としました。
上顎は前歯を大きく後方へ移動させる必要があるため、左右の頬側歯槽部に矯正用アンカースクリューを設置し、最大限の固定を図りました。
一方、下顎は臼歯関係がⅡ級であること、前歯の叢生が比較的軽度であることを考慮し、臼歯の移動を許容する最小限の固定としました。
上下顎それぞれの歯の移動量と噛み合わせのバランスを考慮し、機能的で調和のとれた歯列を目指して治療を進めました。
治療後
上下顎小臼歯の抜歯スペースを利用して前歯の位置を改善した結果、適正な前歯の被蓋関係が獲得され、大臼歯および犬歯ともにⅠ級関係が確立されました。
上下顎歯列の叢生も改善し、治療前に鋏状咬合を呈していた右側第二大臼歯を含め、上下の歯列が緊密に咬合する状態となりました。
レントゲン検査では、歯根の平行性が良好に保たれ、明らかな歯根吸収や歯槽骨吸収は認められませんでした。
また、上下顎前歯の後退に伴い、前歯の唇側傾斜が改善されました。E-lineに対する口唇の位置も、上唇で1.5mm、下唇で3.0mm後退し、口元の突出感が緩和されました。
歯列や噛み合わせだけでなく、口元のバランスにも改善が得られた症例です。
リスク:痛みや違和感、虫歯・歯周病、歯根吸収、歯肉退縮、後戻りなどの可能性