出っ歯・口ゴボ
治療前
年齢:19歳
主訴:出っ歯と口ゴボ(口元の突出)を治したい
診断:上下顎前歯の唇側傾斜(前歯が上下とも前方に傾いている)
上下顎前突(上下ともに前歯が前方に突出している)
Ⅱ級の咬合関係(上の歯列全体が、下の歯列より前に出ている)
正中離開(上の前歯2本が離れており、すき間が空いている。)
鋏状咬合(ハサミの刃がすれ違うように左右とも奥歯が噛み合っていない)
治療中
装置:ハーフリンガルブラケット、アンカースクリュー
抜歯部位:上顎両側第一小臼歯、第二大臼歯、下顎両側第二小臼歯
治療期間:2年8か月
総額:約120万円(税込)
治療方針:標準的な骨格でしたが口元の突出感が強く、前歯および口唇の後退と咬合関係の改善を治療目標としました。
歯列のスペース確保と前歯の後退を目的に、上顎両側第一小臼歯、下顎両側第二小臼歯に加えて鋏状咬合となっている上顎両側第二大臼歯を抜歯する治療計画としました。
上顎は最大の固定を図るために歯科矯正用アンカースクリューを併用しました。第二大臼歯も抜歯することで、上顎前歯および第一大臼歯の遠心移動を行い、前歯と口唇の後退を目指す計画としました。下顎は中等度の固定として、前歯の歯軸を調整しながら抜歯空隙を閉鎖する方針としました。
上下顎それぞれの固定様式と歯の移動方法を使い分けることで、前歯の歯軸と位置を適切にコントロールし、口元の突出感と咬合関係の改善を目指しました。
治療後
治療の結果、適正な前歯の歯軸と被蓋関係が得られ、大臼歯および犬歯のⅠ級関係が確立されました。また、上下顎の緊密な咬合が獲得され、機能的な咬合関係の改善が認められました。
セファロ分析では、上顎前歯の歯軸を示すU1 to SNは102.9°、下顎前歯の歯軸を示すIMPAは101.3°となり、Interincisal angleも122.6°と、いずれも標準的な範囲となりました。
さらに、上顎前歯は12mm、下顎前歯は5.5mm後退しました。その結果、E-lineに対する口唇の位置は一致し、上下口唇の突出感が改善されました。
歯列や噛み合わせの改善に加え、前歯の歯軸と口唇の位置を適切にコントロールすることで、口元のバランスが整い、審美的な顔貌が得られた症例です。
リスク:痛みや違和感、虫歯・歯周病、歯根吸収、歯肉腫脹、後戻りなどの可能性